D2山本がパワーアカデミー研究助成「萌芽研究」に採択されました

D2山本がパワーアカデミー研究助成「萌芽研究」(博士課程学生枠)に採択されました.

研究件名:双方向コンバータを用いた電源・負荷間の自律分散協調によるロバストな電力潮流制御技術の開発
採択期間:2026年2月-2027年3月
2025年度 パワーアカデミー研究助成 「特別推進研究」および「萌芽研究」採択結果

パワーアカデミーは電力会社や電機メーカー,業界団体により構成される団体であり,産学連携を通じて電気工学分野の研究,教育を全国的に支援するとともに,本分野の魅力や重要性に対する社会の認識を高めるPR活動を展開し,電気工学分野の一層の発展に寄与することを目的として活動されています[設立の目的]

本研究助成は,採択者とパワーアカデミー構成企業・団体とのコミュニケーション機会ならびに,電気学会全国大会での成果発表会が設けられていることが大きな特徴です.これらの機会を積極的に活用することで,P2Pエネルギー伝送技術を基盤としたロバストなエネルギー授受システムの社会実装に向けて研究を推進すると共に,研究成果の周知を進めて参ります.

投稿者:D2山本


令和7年 電気学会 電力・エネルギー部門大会に参加しました

9月17-19日に沖縄 琉球大学 千原キャンパスにて開催された 電気学会 電力・エネルギー部門大会 において,本研究室の卒業生であるM1高柳が研究成果を発表しました.

題目: 実配電系統における TDR 波形の畳み込みオートエンコーダによる異常検知

著者: 高柳慶太郎(京都大学),杉本貴史,湧谷栄之(関西電力送配電),渡久地 真,河内祐也(ダイヘン),松嶋 徹(九州工業大学),久門尚史(京都大学)

キーワード: 架空配電系統,TDR法,オートエンコーダ,異常検知

抄録
架空配電系統における事故点探査の効率化や労力削減を目指し、TDR法を用いた事故点標定装置の開発や実証試験が行われている。本研究では、実配電系統における大規模なTDR波形データに対してCAEによる異常検知手法を検討した。CAEの平行移動に対する不変性を用いることで、パルス伝搬速度の変動による影響を取り除くと同時に、異常なデータを検知することに成功した。また、系統にフェライトコアを取り付けて系統に変化を与えた場合、再構成誤差によってその変化点の検知が可能であることを確認した。これらの結果は、実際の事故データを得ることが難しい実系統の場合においても、定常観測による膨大なデータからCAEによって異常を検知できることを示す。

D1鈴木が NOLTA 2025 Student Paper Award を受賞

本研究室に所属する博士課程1年鈴木が 2025 International Symposium on Nonlinear Theory and Its Applications にて Student Paper Award を受賞いたしました.

以下は鈴木くんのコメントです.

NOLTAの国際会議で受賞していただいたことは,大変光栄で励みになります.
本研究では,従来のグラフが外部との関係性がないのに対し,グラフとよく似た電気回路におけるポートは外部との接続が前提となっていることに着目しております.電気回路のポートのアナロジーから,グラフにポートのようなもの=境界を導入します.境界をグラフに導入することで,外部からの影響をグラフ自体に組み込むことができます.
GNN側の議論に移ると,境界の影響を受けたデータには境界を組み込んだグラフのGNNを用いるのが自然です.本研究ではこの視点から,境界を組み込んだグラフに基づくGNNを提案し,数値実験での検証を行っております.