研究テーマ

電磁回路工学研究室では,回路を中心に理論からシステムへの応用まで幅広いテーマで研究を行っています.

電磁現象のモデル化

パワーフローの設計・解析

  • 双方向コンバータが持つ非線形な変換特性のモデル化・解析
  • コンバータネットワークによる次世代エネルギー伝送システムの構築

回路網におけるネットワークダイナミクス

時変回路を用いた整合終端によるエネルギー収穫

※以下は2023年度までのテーマで,2024年度からはありません

低消費電力・高精度なCMOS温度センサ

温度センシングは集積デバイス自身の診断や環境のモニタリングなどに必須であり,IoTの普及に伴い低消費電力の温度センサの需要がますます増えてきています.CMOSの微細プロセスで実装する温度センサはあらゆるデバイスに集積化ができるため,注目されています.CMOS技術でトランジスタのみを用いた温度センサにおいて電源電圧のゆらぎや外部ノイズに対して安定動作できることが求められる一方,低消費電力で高い精度も重要です.これらの両立は従来のセンシング方式では難しく,本研究では温度センシングの精度とエネルギー効率の限界を突破するために,センシング手法およびその手法を実装する回路の小面積・低消費電力設計を行っています.
[研究成果]
1. Shinichi Oota, Mahfuzul Islam, Takashi Hisakado, and Osami Wada, “Wide-range and low supply dependency MOSFET-based temperature sensing utilizing statistical properties of scaled MOSFETs,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 62, no. SC, pp. SC1098, 2023.
2. Mahfuzul Islam, Shogo Harada, Takashi Hisakado, and Osami Wada, “CMOS temperature sensor utilizing gate-length-based threshold voltage modulation,” in 21st IEEE Interregional NEWCAS Conference, June 2023, pp. 1-5.

高機能なディジタルLDO

負荷電流が大幅変動する回路において広い電流レンジにおける電力高効率な電源回路が必要です.ディジタル負荷に適したディジタルLDOは注目を浴びていますが,固定クロック動作において応答性と消費電力の間にトレードオフが発生してしまいます.本研究では,出力電圧の変動量に応じた適応的な周波数スケーリングにより広い負荷電流において高い電力効率を実現する回路と制御方式を研究しています.また,ディジタルLDOは動作原理から電源電圧ノイズを除去する能力が低いとされていますが,本研究では電源電圧ノイズ除去率の向上を目標に複数センサの適応による高度な制御方式の開発も行っています.
[研究成果]
1. Shun Yamaguchi, Takashi Hisakado, Osami Wada, and Mahfuzul Islam, “An Adaptive-Sampling Digital LDO with Statistical Comparator Selection Achieving 99.99% Maximum Current Efficiency and 0.25ps FoM in 65nm,” in IEEE Asian Solid-State Circuits Conference (A-SSCC), Nov. 2023, to appear.
2. Shun Yamaguchi, Mahfuzul Islam, Takashi Hisakado, and Osami Wada, “Low-power design of digital LDO with non-linear symmetric frequency generation,” IEEE Transactions on Circuits and Systems II: Express Briefs, vol. 69, no. 12, pp. 4644-4648, Dec. 2022.

低消費電力なフラッシュ型ADC

オンチップSCコンバータ